見島牛。
名前は知っていたけど、まさか食べることができるとは思わなかったんだよね。
山口県にある三島という島で飼育されている日本在来種のこの牛は、正確には見島ウシ産地が天然記念物に指定されているため、三島で飼育されているうちは天然記念物なので、もちろん食べたりすることは出来ないけど、一歩島の外に出てしまえば食べることが可能だ。
日本在来種。大陸から渡来した当時の原型を保つ在来種はこの見島牛と鹿児島県十島村の口之島牛の二種のみだ。
現在の和牛のように改良のための外国種の血が入ってない貴重な牛で、「見島牛保存会」の農家の皆さんが助けあって生産を維持しているけど、昔の豚舎を使った牛舎で飼っていて、6戸で80頭程度を維持しているという超貴重な牛。
いわゆる黒毛和牛よりもふた回りくらい小さいこの牛は農耕用に進化しているため前輪駆動で前脚はしっかりしているけど、後ろ足は貧弱。
メスの出荷頭数は年間わずか2頭〜3頭というから超貴重で、食べることができる人は超ラッキーとしか言いようがないくらいの牛なのだ。
さて、そんな貴重な牛肉を僕は二度も食べる機会に恵まれたんだ。本当に運が良いとしか言いようがない。
この記事の目次
見島牛の15年経産牛 雌牛(13ヵ月再飼育)
そんな貴重な見島牛。
2019年5月某日、格之進R+で行われた見島牛の15年経産牛 雌牛を食べて学ぶ会で僕は初めて見島牛を食べた。
お肉を焼いてくれたのは格之進の肉おじさんこと、千葉祐士(ますお)氏。
最高のお肉を最高の焼き手が焼いてくれるという本当に豪華で忘れられない一夜となった。
肉前菜
見島牛イチボ仕立て違いの五種盛
炙り / 湯引きおろしポン酢 / 漬け / 昆布締め / 炙り山椒醤油
小鉢
見島牛のイチボの牛スジ煮込み
見島牛ヒレのユッケ三種盛り
イクラユッケ / 雲丹ユッケ / 牡蠣ユッケ
すき焼き
門崎熟成肉サーロインと岩手県産カキのすき焼き
見島牛ステーキ
ヒレ
イチボの
今半すき焼き
見島牛と門崎熟成肉サーロイン
はっきり言って美味しすぎて、物凄い多幸感を感じた一夜だった。
初っ端からのイチボの食べ比べの時点で見島牛の持つポテンシャルに驚きを隠せなかった。
いつも食べているお肉とは全く違う食味。
そして素晴らしいバランスの良さ。
ヒレ肉は格之進お得意の「うにく(海の幸とお肉の組み合わせ)」でいただくのだが、これまた絶妙だ。
焼いたりこっそり生で食べたりすることで見島牛の魅力はさらに口の中で多幸感とともに広がっていく。
脂の甘み。なんとも言えぬ旨味。黒毛和牛とはまた違うきめ細かさ。
プール焼き理論で肉汁の旨味がさらに引き出された見島牛の味わいは「感動」の一言だった。
雌ウシの見島牛を食べることができる機会はもう二度とないかもしれない。と、思っていたらその1ヵ月後に肉肉学会でまたもや見島牛を食べる機会に恵まれた。
『天然記念物見島牛を食す』
〜生産流通を支えている見蘭牧場の志に学ぶ〜
見島牛の生産者である株式会社みどりや 萩見蘭牧場の藤井社長の講演を聞いてから、見島牛と見蘭牛(見島牛とオランダ原産のホルスタイン種の掛け合わせ。F1)を食べ比べるという会である。
- USHISOBA
- シャルキュトリーとミックスリーフサラダ
- 見蘭牛リブロースステーキ
- 見蘭牛内モモのローストビーフを&炭火焼
- 見島牛肩ロースグリル
- 門崎熟成牛のペンネミートソース
見島牛は相変わらずきめ細かくて脂に旨味があるけど、赤身の濃縮された味わいが素晴らしいし、見蘭牛は脂がしっかりしていて食べやすくて見島牛よりも少し柔らかく感じたんだ。
いつかもう一度食べれる機会があったら食べたいな。
食文化に触れることができたとても素晴らしい経験だった。
ちなみに見島牛。雌牛は年間2−3頭しか出荷されないから超貴重だけど、雄牛は年間10頭前後出荷していて(それでも超貴重)インターネットでミドリヤのオフィシャルサイトから直接買うことが可能なんだよね。
→ 株式会社ミドリヤ
と言っても、発売直後に結構すぐに売り切れ状態なんだけど、興味がある方は是非一度食べてみてほしい。
今僕らがよく食べている和牛とは全く違った味わいのお肉を食べることができるからね。
年間1000食以上外食するグルメブロガー。
得意分野は肉と寿司。ミシュランから千ベロまで。
株式会社BNF 代表取締役
株式会社門崎(格之進)執行役員
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