有名だけど行った事がないお店にガンガン行ってみようシリーズなんだけど、今回は西麻布の。というか住所的には西麻布なんだけど、まぁ南青山と表参道の間くらいにある高級住宅街にひっそりとあるレフェルヴェソンス(L’Effervescence)に行ってみたんだ。
この記事の目次
ミシュランに食べログゴールド。とにかく受賞歴が凄いレフェルヴェソンス
ちなみにレフェルヴェソンスは飲食店が受賞できる色々な賞をとりまくってるお店でもあるんだ。
ミシュラン二つ星。世界のベストレストランでも100位以内に入賞経験あり。アジアベストレストラン50に連続入賞。食べログゴールド。食べログの2019ベストホスピタリティ賞。
ゴエミヨでは【4トック】(17.5/20点)だし、2018年に新設されたサステナブルレストラン賞(イギリスに本部を置くSRA(サステナブルレストランアソシエーション)という認証団体が評価を行うもの)も受賞という輝かしい受賞歴をもつレストランだよ。
しかもドレスコードでジャケット着用だなんて書いてあったもんだから、珍しく初デートの男子高校生ばりに緊張してスーツを着て席に着いた途端「アカヌマさん、ご無沙汰です。」って声が聞こえて見たらなんと知人が!
おおーーーマジか。
某三ツ星のレストランでも働いていて、何度かワイン会でもご一緒した若きソムリエが。これは彼に任すしかないなって事で今日のワインのペアリングはお任せする事にしたんだよね。結果から言うと大正解の大満足。やっぱプロは違うなぁ。
それにしても、こんなふうに偶然再会するなんて思ってもいなかったからなんだかとても嬉しくなったんだ。
再興 ルネサンス
ルネサンス?なんのこと?と、思ったんだけど、これ。料理のコース名なんだよね。料理のコース名とは思えないとても印象に残る名前なんだ。
“みやいずみ”という日本酒の濁り酒にドイツのリースリングを混ぜた食前酒を飲みながら、この難解なコース名の意図について深く考えて見たものの、深く考えこめなかったのは殊の外この食前酒が美味しかったからだ。
ルネサンス。復興とか再生ってことだよな。うん。
シャンパンも美味しいから考えるのを僕はもう放棄したんだ。楽しもう。
歳時記~ 白子、蓮根、黒大根/蜂蜜と柚子
さて、まずは歳時記。つまり、旬を感じようって事で今が旬の白子なのかな。
レフェルヴェソンスは日本語で「泡」っていう意味もあって泡の料理からスタートみたいなんだ。で、この泡の中に白子が入ってるんだけど、これがいきなり一品目から美味。
そして、蓮根のシャキシャキした食感と白子のねっとりと柔らかい食感がなぜか口の中でマッチするんだよね。シャンパンとの相性もバッチリ。あぁこれは美味しいなぁ。
液体窒素で固めた蜂蜜と柚子はいきなりお口直しをさせられた気分になったけど、それもまた良し。
いや、うちの料理食べる前に口直ししてね。って意味なのかもね。
アップルパイのように #41〜 猪、里芋、黒トリュフ
結構高級なお店にいったはずなのに・・・・あれ?これ、ナニドナルドだったっけ?ってつい思ってしまったのがこちら。
アップルパイのように。「#41」っていうのはいわゆるバージョンのことみたいなんだ。
つまり、レフェルヴェソンスの名物とまでなったこのアップルパイもどきは、41代目。その時に出てくる他の料理との組み合わせも考えたりしながら食材は決まるみたい。
これが濃厚でトリュフの複雑味あふれる味わいと、ちょっとジャンクになりがちなはずなのにジャンクに全く感じさせないバランスの良さは流石の一言。
持って帰って家で映画見ながらゆっくり食べたい一品なのは間違いないな。
敬愛するアルチザン~ 時季のお野菜たち
これ。すごかった。アルチザン。フランス語で職人。なんの職人かって野菜の生産者の事なんだよ。
職人の名前が一人一人の掲載されてるんだ。本当に職人リスペクトなんだね。しかもこの野菜の盛り合わせ。全40種類の野菜が一皿に乗っている。
こんなサラダ見た事がない。なるほど。これはサステナブルレストラン賞を受賞しちゃうわけだね。
※サステナブルとはご存知の通り「持続可能」という意味。地球にやさしい方法、貧困層の搾取につながらない方法等で生産された野菜や魚、乳製品や畜肉等を使うことや、スタッフの労働環境とかまで配慮して持続可能な環境を作り続けるみたいな意味だよ。
それにしてもサラダはどれもこれも味が濃厚なんだ。そう、一つずつゆっくりと味わって食べたいくらい。特にパープルケールは美味しかったなぁ。揚げてあるのかサクサクしていい感じの美味しい苦味が出ている感じ。
パン
この辺りでパンが登場したんだけど、これがまた絶妙に美味しい。
ブリコラージュという名前みたいで、自家製のサワークリームとよく合うんだよね。たっぷりつけて食べるとめちゃ美味しいんだよ。
これ、いくらでも食べれちゃいそうなやつだね。
朝ごはんで食べたいなぁ。
世界を逆から眺めてみたら〜 アオリイカの刺身とそのイカスミのクリスプ、カリフラワー、熟鮓の「飯」とライム
これも本当に面白い一品なんだ。
そもそも名前が面白い。海の底から空を眺めてみたら的な意味みたいなんだけど、このイカで出来た丸は目のようにも見えるし、気泡のようにも見えるし。
ただ、とにかく美味しかったんだ。
ねっとりと甘いイカの食感と対極の食感のカリフラワー。そして力強い酸味に甘みが多重奏のように。なんかこう後から重なっていく感じの複雑な美味しさ。
あぁ、これは美味しい。本当に美味しい。
定点〜 蕪とパセリ、キントアハム、ブリオッシュ
レフェルヴェソンスのスペシャリテ。そう。つまりこのお店の顔とも言える料理はなんとなんとカブなんだよね。
お皿の上にドーン!って感じでもないな。カブが置かれてる。でも、なんかこう小さいのに存在感がある蕪だ。
食べてみてわかった。なぜこの蕪の名前が定点なのかも。
通常一番甘みがあるはずの2月の蕪だけど、今年は暖冬でちょっと甘みは弱いんだという説明を友人のソムリエから聴きながら頂いたカブは感動の美味しさ。
カブってこんなに美味しかったの?甘みに香ばしさ。本当にかすかな苦味。と複雑な味わいを口の中で感じた一品だったよ。すげーなカブ。カブのポテンシャルの高さを思い知った一品だったんだ。
冬、枯葉、雪〜 甘鯛のロティと菊芋のクリスプ、春菊、骨の出汁のアラクレームと山椒オイル
続いては甘鯛なんだけど、菊芋のクリスプを甘鯛の鱗に見立てた綺麗な一品。
骨の出汁ベースのソースが驚くほど味わい深くて美味しくて甘鯛と素晴らしいマッチング。
フレンチってやっぱり一口で色々な味わいが楽しめるよね。足し算のフレンチ。引き算の和食って言われるけど本当にその通りだなってこの料理で密かに感じたんだ。
継がれる味~ ちいさな茶碗蒸し、初摘み海苔、鮑、フェンネル
継がれる味って言うくらいだから昔から・・・もしくはシェフの生江さんが以前働いていた他店舗から引き継いだ味なのかも。とか、色々想像してしまうタイトルだよね。
生海苔と香りの強いオイルの香りがとても上品に食欲をそそるんだけど、鮑の食感がやっぱり好きだなぁ。小さいけどぎゅっと旨味が詰まった一品でメイン前のお口直しにしては豪華な感じで好きなやつだよ。
海の神 山の神〜 京都・七谷鴨のロティ、縮みほうれん草、帆立と焦がし葱のピュレ、骨のジュ・内臓のソース
これもすごいタイトルだ。いわゆるサーフアンドターフだよね。海の幸と山の幸を合わせた料理だ。
胸肉と股肉の二つのお肉を食べ比べすることができたよ。
帆立と焦がしネギのピュレがとっても美味しくてこれが鴨のお肉に本当によく合う。もちろん内臓のソースも美味しくてそれぞれ食べたり、ソースを混ぜてみたりと色々と食べ比べていたら気がついたら鴨のお肉がなくなってしまっていたメイン料理だ。
鴨は締め方までシェフが京都にまで指定しにお願いしにいくと言う徹底っぷり。すごいな。臭みもないし柔らかくてソースの味わいをしっかり吸収するような鴨の味わいが感じられたよ。
黄昏〜 酒粕、銀杏、洋梨
酒粕のアイスクリームだけど、酒粕感は柔らかめでとってもクリーミー。そして洋梨はコンポートでちょっと甘めでいい感じ。
銀杏が美味しい。
あの独特の苦味はあんまりなくて、銀杏てこんな味わいに変化するのか。っていう驚き。
太陽と水の味~ はっさくとフレッシュチーズのダックワーズ、無農薬蜂蜜、オレンジとディル
スイーツはこれがとても美味しく感じたんだ。
やっぱりフレンチって足し算の味わい。
八朔のさっぱり感に、蜂蜜のほのかな甘さにフレッシュチーズのダックワーズの旨味とクリーミーさが加わってなんとも言えない美味しい味わい。
美味しいなぁ。
小菓子とお薄
とても綺麗な小菓子の盛り合わせ。そして、抹茶。抹茶はソムリエが立ててくれるんだけど、ちゃんと習いに行ったんだって。
チュッパチャプスみたいなのは最後に食べてと。そして驚きが・・・みたいなことを言われたんだけど、確かに驚き。口の中で弾けるやつ!
ここまでとっても上品で口の中が甘さに満たされていただけど、最後にカチッと弾ける感じ。まさに泡のように。
“World Peace”
これは何かのメッセージだとずっと思ってたんだよね。アーティストもよく言うじゃん。ワールドーピースって。
そしたらしっかり出てきたのがこちら。
自家製のピーナッツミルクに百年の孤独を入れたカクテルみたいなんだ。
甘くてみんな笑顔になるからこの名前。
確かに甘いけどギリギリ甘すぎないのがいいね。ちなみに最後はシメシャンでさっぱりと。
今日イチが決められない料理の連続
いつもなら今日イチはこれって結構明確なんだけど、レフェルヴェソンスの料理はどれも美味しくてなかなか決められないんだよね。
なんと言うかコース料理全体に流れるストーリーみたいなのはどこのお店でも考えられているんだろうけど、レフェルヴェソンスの場合はそれが秀逸というかすごく自然に次の料理に行けるようにバランスが考えられている感じがして、とてもスムーズに料理が出てくるんだよ。
もちろん出てくるタイミングも完璧すぎるほど完璧。
そして、ワインはどれもこれもマリアージュがしっかり考えられていて本当に美味しい。
中でもワインは Sebastien Riffault Sancerre Blanc Auksinis Tardif 2010 があまりに美味しすぎたし、マリアージュがすごすぎて驚きだったからあとで購入する予定だよ。
レフェルヴェソンス(L’Effervescence)
ミシュラン二つ星に食べログゴールドの名は伊達じゃないとても美味しくて贅沢な時間を過ごすことが出来たんだ。
サービスの方とのちょっとしたお喋りや料理の説明も秀逸だし、とても居心地がいいレストランなんだ。
記念日とか、そういう日にも行きたくなるようなレストランだね。
圧倒的にオススメなフレンチレストランだよ。
レフェルヴェソンス
03-5766-9500
東京都港区西麻布2-26-4
年間1000食以上外食するグルメブロガー。
得意分野は肉と寿司。ミシュランから千ベロまで。
株式会社BNF 代表取締役
株式会社門崎(格之進)執行役員
この記事へのコメントはありません。