「おにぎりの思い出」といえば、多くの人が何かしらのエピソードを持っているのではないかと思う。
僕の場合は塩ウニのオニギリだ。
祖父が漁師をしていたため、毎年シーズンになると岩手の田舎から送ってくる雲丹。長持ちするようにと塩漬けにされた塩分たっぷりの塩うにのオニギリは驚くほど美味しかったのを覚えている。
学生時代の美味しい思い出の一つだ。
僕のおにぎりのナンバーワンは思い入れや思い出補正も手伝って、圧倒的にあの頃の食べた塩ウニのオニギリだった。暑い夏の部活動の休憩時間に食べた塩ウニのオニギリに勝るものはないと思っていた。
そんな圧倒的な思い出補正を凌駕して君臨したのが、がっしょ出雲の裏メニューである塩むすびだ。
がっしょ出雲の塩むすび
裏メニュー。一つ5000円もする高級塩むすびは驚くほど希少な食材を使っている。
島根県にある十六島(うっぷるい)という古くから献上品としても使われている貴重な海苔を使っているのだ。この海苔がまたべらぼうに高い。50グラムで1万円もするという驚きの価格の海苔だ。
十六島。海苔島が十六あったというところから当てられたとも言われるほどの海苔の産地だ。
ただでさえ最も歴史が古く、天然岩海苔の最高峰と言われている十六島の海苔の中でも最高峰の海苔を使っているのだからまぁまちがいなく美味しいはずだ。
お米だってしっかり拘ってる。奥出雲にあるえっちゃん農園という標高400メートルの山のてっぺんで作られるコシヒカリを使っている。
少し硬質なこのお米はおにぎりの為にあるお米と言ってもいいくらい握ると程よく美味い。
もちろん水にも拘っていて出雲の天然水を使ってわざわざお米を炊くのだ。
潮の旨味
美味しくないわけがないこちらの塩むすび。もちろん具は入っていない。
お上品にちぎったりしないでそのまま手でバクッと言ってほしい。初めてのデートだろうが、大切な目上の方との食事だろうが関係ない。手でとってかぶりついてほしい。
きっと海苔がもつ見事な磯の香りに口中が包まれて、思わず笑みが溢れるはずだ。
お米の甘みをしっかり感じ、いつまでも残る上質な海苔の余韻に口福を感じられることだろう。
僕はもう無心になって美味い美味いと言いながらいつもあっという間に食べ終えてしまう。
あぁ今日も幸せだ。
このおにぎりを食べると本当に心の底からそう思うのだ。
年間1000食以上外食するグルメブロガー。
得意分野は肉と寿司。ミシュランから千ベロまで。
株式会社BNF 代表取締役
株式会社門崎(格之進)執行役員
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