故郷っていうのはみんなどこのことを言うのだろう?
生まれた場所?育った場所?大人になってから意識しだす場合もあるかもね。
とにかく僕の両親が生まれた岩手県宮古市は、住んだことは無いけども僕にとっては故郷なんだ。
この記事の目次
故郷の味
親戚の叔父さんが亡くなって数年ぶりに宮古に行くことになった。
思えば楽しい思い出が満載だった宮古も、最近では誰かの不幸の時にばかり行くようになってしまった。
あの震災の頃からかな。
以前よりも遠い場所になってしまった気がする。
さて、慌ただしくお通夜や葬儀が行われてあっという間に東京に戻る日の夕飯。少し時間があったので妹と寿司屋へ入ったんだ。
岩手の食材をふんだんに使ったその寿司屋は魚菜市場の近くにあって、僕らは予約して伺った。
そもそも妹と2人で酒を飲むなんて何年ぶりだろう。10代の頃が最後だった気がするから、20年ぶりくらいかもしれない。
とにかく僕らはお互いの近況やら何からを話しながら食事をしたんだ。
もういきなり日本酒飲みながらね。
小綺麗なカウンターでウニの煮こごりみたいなのを食べたんだけど、やっぱりムラサキウニって言うのは僕にとっては宮古の味なんだよね。
海の味がするって言うのかな。懐かしくて美味しい味わいなんだ。
お刺身の盛り合わせも。
この前さ、土佐出身のバーテンダーの人が「やっぱり刺身は土佐が一番美味しい」って田舎自慢するんだよ。まだ若い20代のバーテンダーだった。
僕はそれを和かにウンウンって聞いてたけど、心の中では一番美味しい刺身は三陸のお刺身なんだってずっと思いながら彼の話に耳を傾けながらジントニックを飲んでいたよ。
もうそこはあれ。僕だって彼だって思い出補正に故郷補正までプラスされてるからね。海鮮と言えば三陸だよ。
甘くてシャキッとしたホタテにネットリと甘いイカ。磯の香りがほのかに漂う水ダコ。
やっぱり食べるとなんかこう宮古に来たなって思えるんだよね。
結局、日本人が色々食べた結果和食が一番好き。みたいな感じみたいにさ。生まれ育った故郷の味って言うのが一番の強烈なアイデンティティになるよね。
焼きウニ
焼きウニがこの辺りの郷土料理だって知ったのは随分大人になってからかな。
僕は小さい頃から焼きウニご飯がすんごい好きなんだよね。で、お店の方にすごいワガママを言ってシャリをご飯茶碗によそってもらって、そこに焼きウニをぶっかけて完成したのが即席焼きウニ丼なんだ。
いや、まじでこれが好きなんだ。もちろんガッツリ思い出補正がかかってるから、他の人が食べて僕ぐらい感動するかは謎。都内で焼きウニを出すお店に何人か連れてって、ドヤ顔で食べてもらったことあるけど、「へー。」みたいな感じだったもんね。
でも、いいんだ。僕にとっては故郷の味。めちゃくちゃ美味い。
あらかじめ山葵をといた醤油を少しかける食べ方なんかもう最高。
ご飯なんか何倍でもお代わりできちゃうんだよ。
寿司
最後は軽く寿司を食べたんだけど、シャリはしっかりめでガッツリ江戸前の握り。
ネタはどれも新鮮でおいしかったし、ちょっと手が込んでる仕事もしてあって美味なんだ。
そうそう。筋子も故郷を思い出す一品だなぁ。筋子もいくらも醤油強めで甘めじゃない感じの漬け方が宮古風。これは異論を認める!
シメもしっかり食べて、そこそこお腹いっぱいになったんだけど、そこはほら。なんとなく色々食べ歩きたいじゃない。
このあともう一軒、妹には寿司屋を付き合ってもらったんだけど、「お兄ちゃんまだ食べるの?」ってだいぶ引かれたよね。
妹とは少し仲良くなれた気がするから、どっかのタイミングでまた酒でも飲んでみたいな。
そして、次はポジティブな理由で宮古に行きたいなって改めて思ったよ。
よし寿司
あとから調べて知ったんだけど大将は久兵衛をはじめとする都内の寿司屋数店舗で修行をしてきた本格派みたいだね。
どうりでお寿司美味しかったし、もっと食べておけばよかったな。ま、それは次回の楽しみにとっておこう。
接客も心地よくてとても居心地がいいお店だったんだ。
宮古。かなり田舎だけど、もし行く機会があったら是非行ってみて欲しいな。
よし寿司
0193-62-1017
岩手県宮古市保久田4-27
余談
やっぱり沿岸部はあの震災でなんか地形が変わっちゃった気がする。
小さい頃よく遊んだ蛸の浜もなんだか寂しげだったなぁ。
年間1000食以上外食するグルメブロガー。
得意分野は肉と寿司。ミシュランから千ベロまで。
株式会社BNF 代表取締役
株式会社門崎(格之進)執行役員
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